内縁破棄の慰謝料請求

内縁とは

内縁とは、婚姻の意思をもって夫婦としての共同生活を営み、社会的にも夫婦として認められているが、婚姻届を出していないため、法律上は夫婦として認められない男女の関係をいいます。
ただの同棲と違うのは、お互いに夫婦関係を成立させようとする合意があること、客観的にも、事実上の夫婦共同生活を営んでいることです(ただし、挙式を行っていれば、同居生活を送っていなくても、内縁と認められる場合があります)

内縁関係で認められる権利・義務

内縁関係の男女間においては、法律上婚姻届を出している夫婦とほぼ同じ権利・義務が認められます。

①扶養、協力、同居義務

事実上の夫婦と同様、相互に扶養し、協力し、さらに同居関係を維持する義務です。

②貞操義務

肉体関係を伴う浮気をしてはいけません。

③日常家事債務の連帯責任

内縁の妻、夫の借金も背負うことになります。

④婚姻費用の分担

生活費の分担です。

 

このような内縁関係を解消することを、内縁破棄または内縁解消といいます。
内縁関係の男女は婚姻届を出していないため、内縁破棄(解消)は当事者一方の意思により自由にできますが、不当に内縁が破棄された場合、相手方に対して慰謝料請求ができます。

なお、以下のような場合は、内縁破棄について正当な理由があるといえます。

①内縁関係の夫(妻)が浮気した
②内縁関係の夫(妻)からDVを受けた
③内縁関係の夫(妻)の生死が3年以上明らかでない
④内縁関係の夫(妻)が回復不能な精神病にかかってしまった
⑤その他、内縁関係を継続し難い重大な事由がある

内縁破棄の慰謝料の相場

慰謝料の相場は、内縁関係の期間、内縁破棄の理由、精神的苦痛の程度、不貞行為の程度、子供の有無、年齢、社会的地位、支払う側の資力、内縁破棄後の生活状況などが考慮されますが、大体の相場は100万円~200万円程度です。
浮気が原因で内縁破棄になった場合、浮気相手にも慰謝料請求することができます。

内縁破棄の慰謝料請求方法

内縁破棄の慰謝料請求方法は、婚姻関係がある場合の慰謝料請求と同じです。

内縁関係の証明方法

内縁破棄で慰謝料請求する場合、相手方から予想される反論として、「自分は内縁関係にあったと思っていない」といわれることがあります。
その場合は、二人の関係が単なる同棲ではなく、内縁関係であったことを証明する必要があります。
内縁関係を証明する方法としては、住民票の続柄に夫(未届)、妻(未届)と表記されている場合や、マンションの契約書に「配偶者」や「内縁の妻」として記載されている場合は、これらの書面により証明することができます。また、両親や知人・友人、ご近所様等の証言によって内縁関係を証明することができる場合もあります。

内縁破棄で慰謝料請求をお考えの方は当事務所までご相談ください。


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